世界の秘密、


じゃいけんほい。



 思い切って書いてみた自伝は、B5ノート1ページにすっかり収まった。

 たくさん頭に浮かんだあったようななかったような思い出みたいなものたちは、始まりが思い出せなかったり結末が記憶からすっかり欠けていたりして、わざわざ書き起こすのにひどいためらいを覚えさせた。そうしている内にどれもこれもがぼんやりと粒になって宙に散って行ってしまい、おかげでなんだか履歴書みたいな自伝ができあがったのだった。難民となった記憶たちはどこへ辿り着くのだろう。願わくは彼らのアイデンティティが僕に帰属し続けることを。やがて思い出す日もくるだろうさ。

 しかしこうして自伝を作ってみると、それがどれだけただの履歴書のようにどこの小学校にいつ入学しただとか、英語検定の何級に受かっただとか、まぁ体育の時間にこけて左足のスネを骨折しただとかそういったことしか記していなかったとしても、あぁ本当にここまで生きてきちゃったんだなぁと思えてくるから不思議だ。結構生きちゃってるなぁと、書いたばかりの人生を改めて振り返ってみる。何気ない思い出の中で唯一しっかりと思い出すことができたのは、転校生と砂浜で棒倒しを延々続けた、小学4年の6月のことだった。


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